第2回勉強会
第二回勉強会資料(現在のフィジーの諸問題)
しゃべったこと+レジュメを文字におこしました。
諸問題に移る前に、世間一般のフィジーのイメージとして
1.リゾート地 年間60万が訪れる(そのうち日本人が1万人程)
2.世界最幸の国 2011年/2014年の調査で世界一
この調査は、一人当たりの所得などの経済的な指標を基にしているのではなく
「今の生活にどれほど幸福を感じているのか」というアンケートをもとにしてい る。
経済的にはあまり豊かでないが(世界で中の下)、心的内面的には豊かであるといえ る。
この2つのイメージから南国特有のほのぼのした雰囲気をフィジーに抱いている人が多い。
現在のフィジーが抱える問題点
1.フィジー系VSインド系の対立
砂糖プランテーション時、多くのヨーロッパ人・インド人がフィジーにやってきて、手あたり次第に開発をし始めたため、フィジー人を守るためフィジー人以外には土地所有を認めない法律が作られた。その法律が現在も残っている。インド人は、土地所有を認められず土地を借りて製糖業を営む(インド系の不満高まる)。都市化が進んでいくにつれ、都市に出て他の職業に就くインド系が増加している。
多民族主義を唱えるバイニマラマが首相となり、今までのフィジー系優遇政策から転換し都市のインド系寄りの政策を打ち出す。農村部のフィジー系の不満高まる。
2.基幹産業であるサトウキビ産業の衰退
考えられる原因
・サトウキビ農地の貸借問題(上で述べた問題)
・外国からの援助(3億5500万ドル)の停止(2009~)
・(ヨーロッパとの協定の廃止2017年9月~) 今まで、ヨーロッパは支援するために、フィジーからのサトウキビに関税をかけない協定をフィジーと結んでいた。その協定が切れるため、サトウキビ輸出をヨーロッパに頼っているフィジーは大きな影響を受けると予想される。
3.教育格差
フィジー系住民 農村部の村に、多く住んでおり独自の文化を形成。
自給自足的な生活を営む(子どもも農作業を手伝う)
子どもを学校に行かせる経済的な余裕がない。
インド系住民 土地所有を認められなかった過去。
農業の代わりに都市で商業・観光業などの職に就き始める。
農業をやるより儲かり、比較的裕福な暮らし。
子どもたちは高度な教育を受けられる。
フィジー系とインド系間で大きな教育格差がある
4.DV問題
古くからの家父長主義がいまだに残っているとされている。村における女性の立 場が弱い(らしい)。夫から妻への日常的な暴力なども報告されている。
5.地球温暖化の影響
・海水温の上昇に伴うサンゴ礁の白化
⇒ 観光業&漁業への影響
・海水面の上昇・海岸の浸食
⇒ 人口の90%が海岸沿いに住んでいて、またリゾートの多くも海岸線に建てられており、ダメージを受ける
・塩害&水道水の水質悪化
⇒ サトウキビの成長阻害
6.観光業の伸び悩み
製糖産業が衰退の一途を辿っていることも、あり観光業は外貨獲得のために非常に重要であるが、
クーデターが起きた2010年や、最大瞬間風速90mを超える巨大ハリケーンが月に直撃した2016年は観光客の数は激減したり、観光客数は不安定な状態であるといえる。
2016年のハリケーンの被害に関する情報が少なすぎるため、どの程度復旧しているのかは不明瞭。